NISAは“怖い制度”じゃない。
本当に怖いのは「何もしないこと」
2024年から始まった新NISA。
「投資は怖い」
「損したくない」
「国の罠じゃないの?」
──そんな声を今でもよく聞きます。
でも、よく考えてみてください。
今のように物価が上がり、円の価値が下がり続けている中で、
何もせず預金のままにしておくことこそが、一番リスクが高いのです。
「NISAをやる怖さ」よりも、「NISAをやらない怖さ」。
今回はその“差”を、数字でわかりやすく見ていきましょう。
新NISA「つみたて投資枠」の上限は年間120万円
新NISAの「つみたて投資枠」では、年間で最大120万円(=毎月10万円)まで非課税で投資ができます。
さらに、生涯で非課税で保有できる上限(非課税保有限度額)は1800万円。
つまり、毎月10万円ずつ積み立てれば、15年間でちょうど1800万円に達します。
そして、ここが重要なポイント。
通常なら投資の利益には約20%の税金がかかりますが、NISAなら完全に非課税。
得た利益をそのまま自分の資産として受け取れるのです。
毎月10万円を15年間積み立てたら?利回り別シミュレーション
それでは、実際にシミュレーションを見てみましょう。
同じ金額を積み立てた場合でも、利回りによって15年後の結果は大きく変わります。
年利 | 運用益 | 最終資産額 (元本1800万円) |
---|---|---|
2% | +294万円 | 2,094万円 |
3% | +462万円 | 2,262万円 |
4% | +647万円 | 2,447万円 |
5% | +851万円 | 2,651万円 |
6% | +1,077万円 | 2,877万円 |
7% | +1,326万円 | 3,126万円 |
8% | +1,601万円 | 3,401万円 |
9% | +1,904万円 | 3,704万円 |
10% | +2,239万円 | 4,039万円 |
15% (リスクを取った場合) |
+4,928万円 | 6,728万円 |
たとえ2%でも資産は2000万円を超えます。
5%なら2600万円、10%なら4000万円を超えます。
そして、もう少しリスクを取って年利15%を狙えた場合、
最終的な資産はなんと6700万円超え。
もちろんこれはリスクを伴いますが、
それでも「やらない」という選択との違いは圧倒的です。
銀行預金だけで15年間貯めたら?
一方で、銀行に預け続けた場合を見てみましょう。
今の普通預金金利は0.2%前後。
同じ金額を15年間積み立てても、結果はこうなります。
年利 | 利息 | 最終資産額 |
---|---|---|
0.2% | +27万円 | 1,827万円 |
ほとんど増えていません。
むしろ、物価上昇によって実質的な価値は目減りしています。
つまり「預金のまま」は安全ではなく、
“ゆっくり減っていく”選択になっているのです。
15年後の差は最大で「約4900万円」
預金と比べたときの差をまとめると、次の通りです。
比較対象 | 最終資産額 | 預金との差額 |
---|---|---|
利回り2% | 2,094万円 | +267万円 |
利回り5% | 2,651万円 | +824万円 |
利回り10% | 4,039万円 | +2,212万円 |
利回り15% | 6,728万円 | +4,901万円! |
15年後、投資をした人としなかった人の差は最大で約4900万円。
「怖いからやらない」という選択が、
実は将来の自分へのマイナスになっているのです。
「怖い」より「知らない」ことの方がリスク
投資にリスクはあります。
しかし、“怖い”という感情の多くは、知らないことから生まれる不安です。
NISAはギャンブルではありません。
「長期」「積立」「分散」という3つの基本を守ることで、
リスクを抑えながら資産を育てていくことができます。
そして、NISAなら利益が非課税。
通常なら20%引かれる税金がゼロになるというだけでも、
結果に大きな差が出ます。
「売却=終了」ではない。非課税で持ち続けられる
非課税保有限度額(1800万円)に達しても、
すぐに売却する必要はありません。
保有している資産はそのまま非課税で運用を継続できます。
たとえ相場が一時的に下がっても、
焦らずに長期で保有することで回復のチャンスをつかめます。
積立投資とは、「育てる投資」なのです。
やらないリスクを、数字で見よう
新NISAは「国の罠」ではありません。
むしろ、国が私たちに
「これからは自分の資産を自分で守る時代です」
と教えてくれている制度です。
怖いと感じるなら、最初は1万円からでも構いません。
大切なのは、最初の一歩を踏み出すこと。
15年後、
「やっておいてよかった」と思うか、
「やらなくて後悔するか」。
その差を決めるのは、今のあなたの行動です。