資産運用の目的は自分の資金を増やすことが大切なポイントですが、同時に節税対策を最大限におこなうのも忘れてはいけないことです。
ここでは、資産運用の節税対策に必須の「NISA」と「積立てNISA」の違いを説明します。
オススメの運用方法も紹介しますので、参考にして頂けると嬉しいです。
【NISAって何だ?まだNISA口座を理解していない人に簡単に解説!】
「NISA」は少額投資非課税制度のことで、資産運用で得られた利益を非課税にできるというシステムになります。
資産運用を調べるとほぼ100%登場する言葉なので覚えておくことをオススメします。
20歳以上の国内移住者であれば、誰でも利用できる制度で、通常であれば利益から2割(20.315%)の税金が引かれますが、この制度を利用すれば、非課税で運用できるのでとても利用価値があります。
NISAの基本的な知識について説明をしていきます。
実際にNISA口座を開く一般的な方法も紹介しているので、口座開設に役立ててください。
NISAをはじめるには専用口座が必要!
多くの人が銀行で預金通帳をつくっていると思いますが、資産運用をおこなう場合も専用の口座を開設しなければなりません。
日本国債を購入する場合も別途専用口座が必要になります。
NISA口座は資産運用専用口座で使用される口座のひとつです。
資産運用専用口座には
「一般口座」
「特定口座」
「NISA口座」
「つみたて口座」
「iDeco口座」
があります。
一般口座で資産運用をすると利益分に対する確定申告を自分でおこなう必要があります。
この手間を省くためにあるのが「特定口座」です。
特定口座にも「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」があるので「源泉徴収あり」を選択すれば、
利益分に対する税金は事前に支払うことになります。
投資信託や株式投資をおこなっている人の多くは、源泉徴収ありの特定口座を開設することで確定申告をおこなう手間を省いています。
iDeco口座は一般口座とは違うものだと考えるのが妥当です。また、今回はNISAに関する記事なので、iDeco口座の説明は省略します。
「NISA口座」や「つみたてNISA口座」は、分類的には一般口座の特典つき口座のような位置づけになります。
「NISA口座」と「つみたてNISA口座」は、利用可能な上限額がありますが、本来の課税額である20%を非課税にすることができる制度です。
単純に考えると1年で10万円の利益を確定させた場合に、特定口座だと約2万円の税金があるので約8万円の利益になります。
NISA口座やつみたてNISAであれば、利益分が非課税になるので10万円の利益が確定できます。
NISA口座の基本的な位置づけを理解しよう!
「NISA口座」や「つみたてNISA口座」は、税金面で優遇されている制度ですが、実際に運用できる商品が限定されているので注意が必要です。
税金面で優遇されているNISA口座ですが、あくまでも利益分に対する優遇です。
商品の購入に対する部分は非課税にはなりません。
NISA口座の位置づけは、あくまでも国が資産運用を推奨するために導入した制度です。
日本は海外に比べると、資産運用に消極的なことを考慮した優遇制度になります。
特に「つみたてNISA」は、資産運用の初心者向けという位置づけでもあります。
1年の限度額も抑えられていますし、購入できるファンドも国が許可をしている安全なファンドのみになっています。
ただし、いくら非課税で安心なファンドだといっても資産運用ですから大きなマイナスにはなりにくいですが、
必ず資産が増えるわけではないことを理解することが大切です。
NISA口座の開設方法!
NISA口座を開設できるところは、銀行や証券会社といった金融機関になります。
窓口だけでなくネット証券で開設することも可能です。
NISA口座の開設手順を簡単に説明していきますが、細かい部分は金融機関によって異なります。
NISA口座は1人1口座しか開設できませんので、他の金融機関で開設したい場合は、事前に手続きをする必要があります。
NISA口座の開設は、スマホやパソコンで完了するタイプと窓口で説明を受けながら開設する方法があります。
どちらにしても投資信託用の口座などが必要なので、事前に口座の有無を確認しておくことをオススメします。
口座開設には、本人確認書類が必要になります。
マイナンバーカードや運転免許証など指定される本人確認書類が必須です。
手続きに関する工程はオンラインと窓口では異なりますが、どちらも指示に従ってすすめていけば決して難しくないので安心して申し込んでください。
仮に他の金融機関でNISA口座を開設している場合は、金融機関が税務署で確認後に金融機関から開設不可という連絡がきます。
連絡方法は金融機関によって異なるので、確認することをオススメします。
我が家が、「楽天証券」を利用しています。
ポイントサイト「モッピー」からだと新規口座開設するとモッピーポイントが貰えるのでのでおすすめです。
【NISA口座と積立NISA口座の違いを説明!】
NISA口座の基本が理解できたと思いますので、「NISA口座」と「つみたてNISA」の違いを説明していきます。
あくまでも初心者向けの内容ですが、基本的な制度の仕組みを理解できるはずです。
「NISA」と「つみたてNISA」の比較をはじめ非課税に関することや事前に知っておきたいNISAの注意点についても説明しているので、参考にしてください。
NISAと積立NISAを比較
「NISA」と「つみたてNISA」を簡単に比較していきます。
詳しく説明をしても難しくなるだけなので、要点だけになりますが理解しておく内容になります。
・利用可能な人
:NISA
日本在住の20歳以上の人
:つみたてNISA
日本在住の20歳以上の人
・1年間の投資限度額
:NISA
120万円
:つみたてNISA
40万円
・非課税対象期間
:NISA
5年間(最大10年間)
:つみたてNISA
20年間
・最大非課税投資枠
:NISA
1年間 120万円
最長5年間(600万円)
:つみたてNISA
1年間 40万円
最長20年間(800万円)
・購入できる形式(運用スタイル)
:NISA
一括投資・つみたて投資
:つみたてNISA
つみたて投資
・対象商品
:NISA
個別株式・投資信託・ETF・REIT他
:つみたてNISA
つみたて専用の投資信託とETFの一部
・NISAやつみたてNISAで扱っていない商品
非上場株式
定期預金等
債券(国債・公債・社債)
MMF・MRF
FX
金・プラチナ
基本的にはじめて資産運用をする人にオススメできるのは、投資信託の一択といっても過言ではありません。
必ず得をするわけではありませんが、可能性として期待できる商品になります。
NISAの非課税部分とは?
NISAの非課税になる部分は、運用利益と現金として受け取るときになります。
商品購入時と勘違いしている人もいるようですので、注意をしてください。
非課税枠は、1年間に利用投資できる金額の余力分を翌年にまわすことはできません。
最長5年間になっているので、わかりにくいですがあくまでも1年ごとに考えるとわかりやすくなります。
知っておきたいNISAの注意点
NISAをはじめる前に知っておきたい注意点をいくつか紹介しておきます。NISAに限らず投資信託で資産運用をするときは、共通の考え方になります。
・分配金の再投資には注意が必要!
投資信託は分配金受け取ることもできますが、同じファンドを再購入する再投資という方法もあります。
再投資は税引き後の分配金で購入できる口数を買い付ける運用方法です。
分配金の再投資は複利効果を活かすためにもオススメの方法です。
ただし、分配金の再投資は一度分配金を受け取ってから再投資をしていることになります。
分配金を受け取るときの源泉徴収はありますので、NISAにはむいていますが一般口座(特別口座)のときはできるだけ分配回数が少ない方が効果的になります。
・毎月分配金のファンドには注意が必要!
投資信託の分配金には、先ほど説明している毎月分配型の他に1年に1回や複数回の分配金が受け取れるタイプがあります。
投資信託のファンドの中にはこのように分配金の回数が異なるものがありますが、毎月分配金のファンドには注意が必要になります。
分配金は「普通分配金」と「元本払戻金」の2種類があります。
普通分配金は個別元本を上回る状態の利益分のことをいいますが、元本払戻金は個別元本を下回るときの分配金です。
元本払戻金のことは「特別分配金」とも言いますので、プラス効果のあるような感じがしますが、マイナス状態になっているのが現状だと理解する必要があります。
全ての毎月分配金型が悪いとは言いませんが、基本的には避けるべきです。
配当金を再投資する長期投資が資産運用の基本になります。
・非課税期間が終了したときの取得価格に注意が必要!
NISAは基本的に5年間ですが、ロールオーバーをすることで期間を延長することもできます。
ロールオーバーとは、翌年の非課税枠へ移す手続きのことをいいます。
ロールオーバーをしない場合は、一般口座への移管か売却扱いになります。
何もしなければ一般口座になりますが、できれば特別口座を用意しておくことをオススメします。
ロールオーバーも必ず得をするわけではありません。ロールオーバーのメリットとデメリットを簡単に説明しておきます。
ロールオーバーのメリット
・運用をしたときに得た利益分を新たな投資分として非課税で運用できる。
・運用実績のあるファンドを最大10年間運用できる。
ロールオーバーのデメリット
・値下がりをしている場合は、節税効果を得ることができない。
・2019年以降に利用したNISAは原則ロールオーバーができません。
(2024年より新NISAがはじまる予定)
・ロールオーバーの事前手続きが必要です。
【資産運用をはじめる前に理解しておきたいオススメの運用方法】
NISA口座やつみたてNISAのことに夢中になってしまうと肝心の資産運用に関する知識がない状態で運用を開始することになってしまいます。
資産運用の基礎知識やオススメの運用方法を説明していきます。
初心者向けということなので、投資信託が中心になります。
資産運用はリスクを理解して長期運用と分散投資が基本!
資産運用には
「預貯金」
「国債(社債・公債)」
「投資信託」
「株式投資」
「不動産投資」
「金・プラチナ」
「FX」
など様々な資産運用方法があります。
この中で元本割れをしないのは、預貯金と国債だけだと思ってください。
その他の資産運用はリスクのある対象商品だと理解をしてから資産運用をするようにしなければなりません。
もっとも危険が少ない運用方法は長期投資と分散投資になります。
FXなどの高利回りが期待できる運用方法は、大きなマイナスになる危険性もあるので注意が必要です。
初心者にオススメの投資信託の基本を理解しよう!
初心者にオススメの資産運用は投資信託になります。
個別株ほどの利回りは期待できませんが、安定感や管理面の手間を考えると長期間の運用にむいているのでオススメです。
投資信託には以下のような運用方法があります。
・国内債券
・海外債券
・国内株式
・海外株式
・国内リート(不動産)
・海外リート(不動産)
海外には米国・先進国・新興国があります。
この他に全てをとりいれたバランス型と呼ばれるファンドもありますので、選択肢は多くなっています。
国内債券がもっともリスクが少ない運用方法になりますが、リターンの期待値も少なくなります。
初心者向けとしてオススメできるのは、バランス型、米国株式、先進国株式などです。
個別株の運用は自分自身でひとつの銘柄を選ぶ必要がありますし、ある程度の資産も必要になります。
投資信託は少額から多くの企業に投資できるのが魅力のひとつです。
また資産運用の格言に「タマゴはひとつのかごに盛るな」という言葉があります。
タマゴを複数のかごにわけた方が、かごを落としてしまったときの損害を軽減できるという意味です。
投資の基本でもある分散投資が投資信託の魅力です。
バランス型だと債券や株式に分散投資ができるので、不況のときなどの影響が少なくなります。
投資信託とファンドラップの違いを理解しよう!
投資信託と同じような商品に「ファンドラップ」という商品があります。
投資信託は債券型や株式型など多くのファンドから自分で選ぶ必要がありますが、ファンドラップは運用を全て専門家に任せることになります。
ファンドラップに関しては、機会があれば詳しく説明をしますが、投資信託よりもお任せ運用という仕組みになります。
メリットとデメリットがハッキリする運用方法ですが、注目されている商品です。
【資産運用の方法には個人差がある!最適な運用方法の基本とは?】
資産運用の方法に基本的な考え方やリスクの少ない方法はありますが、絶対に正解というスタイルはありません。
また、年齢や現状の運用資金によって適した運用方法は全く違ってきます。
ここでは、年代別にオススメできる基本的な運用方法を紹介していきます。
あくまでも長期運用と分散投資を忘れないようにしてください。
20代~で運用資金が少ない人は迷わず「積立NISA」がオススメ!
20代の人は職業にもよりますが、会社員であればある程度のリスクを負うことができる状況だと思います。
運用資金という意味では決してゆとりがあるわけではないと思いますので、つみたてNISAによる運用がオススメになります。
投資信託の中でもできるだけ全世界株式や先進国株式などのファンドに運用することをオススメします。
仮に毎月3万円を20年間運用できれば、利回り3%~4%で約1,000万円になります。
40代~で運用資金が少ない人は「積立NISA」か「NISA」を有効に利用しよう!
40代以降の人でこれから資産運用をはじめる場合は、運用資金や支出状況によって方法が変わってきます。
基本は運用できる範囲でNISAを使うことをすすめますが、先々を考えると「NISA」が良いと思います。
つみたてNISAよりもNISAの方が運用できる商品が多いですし、個別株への運用も視野にいれることができます。
20代や30代に比べると時間的なメリットを活かせないので、効率重視も考える必要があります。
あくまでも生活資金や運用資金にゆとりを持たせながらの資産運用が基本になります。
投資信託であれば、海外株式やリート型のつみたてがオススメです。
個別株はある程度資産にゆとりができてからがオススメです。
投資信託の商品選びが重要になります。
ある程度まとまった資金がある人にオススメの資産運用とは?
ある程度まとまった資金がある人も全てを一括投資というのはオススメできません。
仮に100万円を同じファンドに投資するのであれば、一括で100万円よりも10万円を10回にわける分散投資が理想です。
生活資金と運用余剰金の確保は必須になります。
投資信託の価格が大きく下がったときは買い増しができるような準備が必要です。
運用余剰金はいつても引き出せる定期預金がオススメです。
個別株に興味のある方は、できるだけ業種や企業の分散投資が基本になります。
比較的安定するのは、株主優待をおこなっている企業で人気があることが条件になります。
どちらにしても、初心者のうちは投資信託中心の運用をオススメします。
【まとめ】
今回はNISAとつみたてNISAの基本的な特徴や違いを中心に説明しました。
初心者向けに資産運用の注意点も紹介しているので参考になると思います。
NISAに関する知識や節税対策は重要ですが、何よりも資産運用で資産を増やすことが重要だと忘れてはいけません。
いくらNISAの知識が豊富でも運用方法を間違えてしまえば、マイナスになってしまう危険性もあります。
資産運用の基本である長期運用と分散投資を守って運用すれば、大きな失敗を避けることができます。
一喜一憂せずに気長に楽しむくらいの気持ちが必要です。