年齢を重ねてくると老後の生活に必要な経済的不安を感じている人も多いのではないでしょうか?
我が家は、最近とても不安になっています。
退職金や年金があるから大丈夫という人もいれば、住宅ローンやその他の支出を考えると不安だという人もいるはずです。
我が家は退職金はほとんど無いと思います。
そこで、重要なのが、
年金保険(厚生年金保険)の基礎知識や老後の生活で不足する生活費の対策です。
老後の生活設計を考え、少しでもお金の不安を解消できるようにしましょう。
【今更聞けない公的年金制度の基礎知識と仕組み】
会社員の人は定年後の生活資金として退職金や年金の活用を考えているはずです。
退職金は勤務先や職業によって異なりますが、会社の規約等でおおよその計算はできます。
自分が受給できる年金も計算ができますが、まったくわからないという人も少なくありません。
まずは、「年金の基礎知識」の基本を理解しましょう。
年金の基本!公的年金と私的年金の違いと仕組みとは?
年金は老後の生活を考えると重要な収入源になるものですが、年金の受給額だけでなく、基本的な仕組みを理解できていない人も少なくありません。
資産運用ブームで投資信託や株式の勉強も良いですが、年金の仕組みは理解しておくことをオススメします。
一般的に年金というと老齢年金のことを思い浮かべる人が多いと思いますが、
まずは「公的年金」と「私的年金」の区別を説明していきます。
公的年金の仕組みとは?
「公的年金」は20歳以上60歳未満の人が加入している国民年金(基礎年金)が土台部分になっています。
この上に会社員の人などが加入している厚生年金保険が存在します。
会社員の人の中には自分は厚生年金だから国民年金は関係ないと思っている人もいるようですが、あくまでも1階部分は国民年金で2階部分に厚生年金保険があるので注意が必要です。
1階部分の国民年金(基礎年金)は20歳以上60歳未満の国民が加入する年金ですが、被保険者の属性によって3つの区分に分類されることになります。
・第1号被保険者
自営業者、フリーランスなど
・第2号被保険者
会社員、公務員など
・第3号被保険者
第2号被保険者(会社員や公務員)などに扶養されている配偶者など
尚、年金には「老齢年金」の他にも「障害年金」や「遺族年金」などの保障もあります。
定年後に会社員の人の方が自営業者の人よりも多くの年金を受給できる理由は、この2階建ての制度が基本になっているためです。
この制度だけを見ると会社員の方が圧倒的に良い条件のように思われますが、自営業者やフリーランスの方にも「付加年金」「国民年金基金」をはじめ個人事業主向けの退職金制度である「小規模企業共済」なども存在します。
ちなみに「国民年金基金」は、このあと説明をする「私的年金」のひとつです。
公的年金は既に説明している2階建てが基本的な仕組みになっています。
私的年金の仕組みとは?
私的年金は、「公的年金」に給付額を上乗せするために存在する年金です。
「企業年金」
「国民年金基金」
「民間の保険会社の年金商品」
などが含まれることになります。
・「企業年金」
企業年金は、企業が任意で設けている年金制度です。
企業年金には「確定給付型」と「確定拠出型」が存在しますので、それぞれを順に説明していきます。
「確定給付型」は支払われる年金の額が決まっている年金制度のことで、「厚生年金基金」や「確定企業給付年金」などがあります。
「確定拠出型」は加入者が一定の掛金を拠出・運用するタイプの制度で、運用結果によって年金額が決まります。
・「確定拠出年金」(DC)
「確定拠出年金」というとまっさきに頭に浮かぶのがイデコ(iDeCo)ではないでしょうか?
「確定拠出年金」には企業型と個人型の2種類があって、iDeCoは個人型のことをさします。
それぞれの私的年金には、加入条件があります。
企業型は60歳未満(規約で65歳までは延長可能)の第2号被保険者や確定拠出年金導入企業の従業員で、個人型は「自営業者」「厚生年金保険の被保険者」「専業主婦」などが対象になります。
それぞれの掛金は「確定給付型年金」の実施の有無や属性等によって異なります。
・自営業やフリーランスのためにある年金制度
自営業やフリーランスの人は、年金制度の2階部分にあたる厚生年金保険がないので老後の年金支給額が1階部分の国民年金(基礎年金)だけになっています。
この差を補う手段として用意されているのが「付加年金」、「国民年金基金」、「小規模企業共済」などの制度になります。
今回は厚生年金保険の話題が中心ですので、簡単に説明をしておきます。
付加年金:
第1号被保険者が国民年金に上乗せして受給するための制度で、毎月の国民年金保険料に400円加算すると老齢基礎年金(国民年金)の受給時に加算してもらえます。
付加される年額は、付加年金保険料を支払った月数×200円です。尚、国民年金基金との併用はできないので注意が必要になります。
国民年金基金:
第1号被保険者が国民年金に上乗せして受給するための制度で、毎月の掛金は確定拠出年金とあわせて68,000円が限度額になっています。
毎月の掛金によって、将来の老齢年金の支給額が変わります。付加年金との併用はできない制度なので事前に役所等で確認することをオススメします。
小規模企業共済:
従業員が20名以下の個人事業主や会社員のためにある退職金に該当する制度で、掛金は月額1,000円~70,000円です。
小規模企業共済の掛金は確定申告時に控除対象になります。
※サービス業や一部業種は5名以下が適用になる制度
【公的年金だけでは老後の生活が不安!その理由とは?】
ここまでの内容で公的年金の基本的な仕組みが理解できたと思います。
「国民年金」と「厚生年金」の2階建てになっている仕組みを理解できると、個人事業主と会社員の老齢年金額に違いがあるのも納得できるはずです。
今回のメインでもある「公的年金」だけでは不安な理由を説明していきます。
なぜ、公的年金だけでは不安になるのかを理解すれば、その後の対策も容易にすることが可能です。
年金だけでは不安?働く必要がある人と不要な人
会社員の人が老後の生活が不安になるのは、毎月の固定収入が減ってしまうからだと思います。
もちろん、個人自業主の人も元々不安定なうえに仕事量が減れば更に不安になるのも当然のことです。
老後の生活費に必要な金額は様々な機関や企業が平均額として発表していますが、必要金額があっても不安になる人もいると思います。
また、定年後に働く必要がないほどの資産があっても仕事をする方も大勢います。
多くの機関や企業の調査結果を見ると、定年後も働く必要があると考えている人が多数を占めているという結果になっています。
この調査は本当に働かなくては生活ができないケースとあくまでも生活防衛資金や預金のことを考えて働く人もいますが、
どちらにしても不安に考えている人が多いのが現実だといえます。
年金だけでは老後が不安だと考える理由は?
年金だけで生活が不安に感じる理由のひとつに支給される年金額や生活に必要な費用が曖昧になっていることが考えられます。
特に会社員の人の中には、収入と支出の管理を配偶者に任せきりという人もいるのではないでしょうか?
実際の収支状況や老後の収支状況をある程度把握している人の場合も、老後の収入減を考えると今よりも「ゆとり」のある生活ができないと考えるのが普通です。
もちろん、多くの資産を築いている人は不安が少ないと思いますが、そのような人はこのサイトを見る必要もないと思っています。
現実的に考えると収入減による貯蓄の減少や今後に起こる出来事への不安が一番の理由だと考えられます。
つまり、この時点で老後の生活に不安を抱くことは別に不思議なことではありません。
実際の統計から考える働くことと生活費への不安の現状
先ほどは定年後に働く必要性を中心に説明しましたが、今度は働く気持ちを中心に考えていきます。定年後に働きたいという人はどの程度いるのでしょうか?
定年後の労働について
・働きたい 約60%
・働きたくない 約15%
・わからない 約25%
複数の統計を参考にしているので判断は難しい部分もありますが、定年後も働きたいと考えている人が約60%いるのが現状のようです。
次に働きたい人の「働く理由」についての調査を見ると以下のようになっています。この情報も複数の統計なので、絶対的な判断基準ではありません。
・生活のため
・社会との接点をたもつため
・健康維持
・ローンや借金返済のため
・働くことや仕事が好きだから
・自分の経験や力を社会のために貢献したいから
他
一方、働きたくない人の理由は以下のようになっています。
・趣味を楽しみたい
・家族との時間を大切にしたい
・年金や貯金があるので働く必要がないから
他
結果を見ると働きたいという人の中にも様々な理由があることがわかりました。この結果から考えると働きたいと考えている人にも特徴があります。
社会貢献や仕事が純粋に好きだというタイプと生活をはじめローンや借金返済のために働くのでは、根本的な気持ちに違いがあると考えられます。
定年後の労働への気持ちに関する情報を見ても「老後に不安を抱える人が多い」と予想できます。
それでは、どのようにすれば不安を解消することができるのでしょうか?
老後の生活に対する不安をなくすためにできること
老後の生活に不安を感じる人の多くは、生活費・ローン・借金などが理由になっていることが多いようです。
この不安を解消するにはこれらの不安をなくすことが大切ですが、そのためには自分から行動を起こす必要があります。
・現状の把握(収支バランス)
・生活費や返済のシミュレーション
・不安を解消するためにできることを考える!
まずは、上記3点のことに取り組むことをオススメします。
もちろん年齢によって対策方法や期間も異なりますが、何もせずに不安になっていても解決へのヒントは見つかりません。
【年金はどのくらい貰えるのか?自分で計算してみよう!】
個々の年齢や収入によって老後の生活費の計算は異なると思いますが、資産形成や資産運用に決められたスタート年齢はありません。
何よりもできるだけ早く行動することが重要になります。
自分自身の年金がどの程度貰えるのか?を中心に老後の生活費への不安の度合いを考えてみます。
何もわからずに不安だと考えるのは、得策ではないはずです。
年金や必要生活費の平均は参考にしない!
年金の給付額や老後に必要になる費用は国をはじめ金融機関や保険会社の資料にも掲載されていると思いますが、この「平均」という数字は参考にしないことをオススメします。
平均値はあくまでも統計上の数字であって、実際に自分が必要になる費用ではありません。
国民基礎年金の老齢年金も年間約78万円となっていますが、あくまでも満額のケースです。
重要なことは自分自身の年金受給額や必要になる生活費です。
まずは現状の収支をしっかり把握することが重要になります。
毎月の収支や今後必要になる費用などをある程度計算してから、年金の計算をすることをオススメします。
「平均値」に惑わされずに自分の収支を考えることが重要になります。
自分が受給できる年金を把握しておこう!
国民年金(基礎年金)の老齢基礎年金は満額で年間約78万円になっています。
未納期間や免除期間によって減額されるので、個人差があります。
厚生年金保険の老齢厚生年金は、平均年収や勤続年数によって異なるので簡単には金額が求められません。
おおまかな金額だと
で求めることが可能です。
ちなみに係数の「0.005481」は平成15年3月までは「0.007125」で、今後もこの数値は変動することが予想されます。
また、平均年収も「平均標準報酬額」という名称です。
個人的に計算をする場合は「平均年収×勤続年数×0.005481」で計算をしても問題はありません。
あくまでもおおよその金額を求めるのが目的になります。
実際の給付額を計算して将来を考えてみよう!
簡単な計算方法になりますが、将来の年金額を計算してみます。自分の年金額を計算するときの参考にしてください。
・会社員
平均年収450万円
勤続年数40年
国民年金 満額で約780,000円
厚生年金 450万×40年×0.005481=986,580円
年額 1,766,580円
月額 147,215円
配偶者がいる場合は、国民年金(基礎年金)の780,000円が加算されます。
年額 2,546,580円
月額:212,215円
あくまでも目安ですが、この数字を見るとより細かく計算ができるようになるはずです。
自分自身の生活環境や資産状況なども考えて不安になる要素を明確にすることをオススメします。
【年金だけでは不安な老後生活に備える3つの方法!】
自分自身の現在の収支バランスや老後に受給できる年金額のおおよそがわかれば、次におこなうことはできる限りの対策をすることです。
不安になる気持ちもわかりますが、自分にできることから始めることをオススメします。
今回の内容は厚生年金の受給に対する不安がメインになる記事なので、対策については具体的には説明していません。
不要な生活費を見直して倹約をしよう!
今からできる対策のひとつに節約や倹約があります。
節約というと食費の軽減を最初に思い浮かべる人も多いと思いますが、長期的に考えると食費などよりも固定費に属する部分の見直しが理想的です。
特に固定費の中でも保険関連に関しては、定期的な見直しが必要です。
無駄とまでは言えませんが、メリットの少ない保険への加入はオススメできません。
短期間の節約のかでも教育費・食費は特に無理な節約は苦労のわりに大きな効果は望めません。
可能な内容と範囲で節約をするのがもっとも理想的になります。
副業で毎月1万円~5万円の収入を目指そう!
倹約の次に目指すのが副業による収入を得ることです。勤め先によっては副業が認められていないケースもあると思いますので事前確認が必要になりますが、
将来の不安を取り除くためにはオススメする方法のひとつになります。
副業といってもアルバイトなどの給与所得を目指すのではなく、事業所得につながる副業がオススメです。
毎月1万円~5万円であれば充分可能な金額になります。
資産運用をして将来に備えよう!
日本人は欧米人に比べると資産運用に否定的だと言われています。
特に高金利時代の定期預金で年利5%が期待できる時代を経験している人はいまだに定期預金が理想だと考えているようです。
ネットバンクなどを利用すれば多少金利は良くなりますが、それでも100万円を預けても1年で2000円程度になります。
メガバンクなどは100万円で20円の利息なので、税引き後は16円程度です。
近年は投資ブームの影響で多くの人が資産運用をはじめているようです。
投資に絶対はありませんが、正攻法と言われる運用方法をおこなえば期待値は高くります。
老後の不安を取り除くためには資産運用や金融に対する知識は必要不可欠です。
【まとめ】
年金保険(厚生年金保険)の基礎知識と老後の生活に対する不安の理由や解決方法を説明しました。
会社員の方は、年金の仕組みや生活費への関心が少ない人も多いようです。
老後の生活が不安になる理由は人それぞれですが、原因を明確にしなければ解決策も見つけることができません。
自分にできることから始めることをオススメします。