投資信託の取り崩しは「定率」「定額」?資産運用の出口と資産寿命の延ばし方

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投資には終わりがないと考える人もいますが、老後の生活費や娯楽費を年金だけでまかなうのは難しいのが現実です。

投資で築いた資産を取り崩すのもひとつの考え方になります。

今回は投資の取り崩しのなかでも出口が難しいといわれている投資信託の取り崩しと資産寿命の延ばし方について丁寧に解説をしていきます。

この記事を読めば効率よく投資信託の取り崩しができるようになります。

 

【投資信託の取り崩しとは?】

様々な投資方法がありますが、投資信託は投資初心者の人にもオススメできる運用方法のひとつです。

特に毎月コツコツ積み立てもできるので、敷居の低い投資として人気があります。

スタートをするのは容易な投資信託ですが、出口が難しいとも言われています。

特に金融機関や証券会社の窓口で投資信託を購入した人は「解約」のことを説明することは少ないのが本音です。

ここでは投資信託の取り崩しについて説明をしていきます。

投資信託の取り崩しは、老後の生活を年金だけでまかなえないときにとても役立つ方法のひとつです。

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投資信託の入口と出口!

様々な資産運用があるなかで投資信託がオススメされる理由は、比較的リスクが少ないだけでなく少額資金から運用できることです。

すべての商品ではありませんが、間違いのないファンドを長期的に運用すれば収益が期待できます。

投資信託は資産運用を開始する入口の敷居は低くなっていますが、取り崩す方法でもある出口が難しいと言われているのが現実です。

実際に投資信託の売却に関する知識がない状況で資産運用に取り組んでいる人も少なくありません。

投資信託を売却する理由とは?

投資信託を売却する理由は人それぞれですが、できるだけ売却時期を遅らせることが理想になります。

また、一括で売却をするのではなく、長期間の取り崩しがオススメです。

特に老後の生活資金であれば、労働収入・年金・預貯金を優先させるべきです。

株式や投資信託で築いた資金はできるだけ資産寿命を延ばす工夫が必要になります。

どちらにしても投資信託を売却する場合は、生活や必要資金の不足分として考えるのが基本なので可能な範囲で継続して運用することをオススメします。

投資信託の取り崩し方法3選!自分に合った方法を選択しよう!

投資信託の取り崩し方法は主に3種類あります。

・「定率取り崩し法」

・「定額取り崩し法」

・「期間指定取り崩し法」

があるので、順番に内容と向いている人を解説していきます。

 

・定率取り崩し法とは?

定率取り崩し法とは投資信託や資産を取り崩す方法のなかでもオススメされるケースが多い方法です。

資産の〇%を切り崩すのが基本になっています。

一般的には年間3%~4%を取り崩す方法で、1000万円の4%であれば毎年40万円を取り崩す方法です。

当然積み立てていなければ翌年は960万円の4%である384,000円になりますが、購入しているファンドの伸び率次第で残金や定率額も異なるのが特徴です。

定率取り崩し方法は資産の増額がなければ、徐々に受取額は減りますが30年後になくなる可能性は低くなります。

資産寿命をもっとも長くする方法です。

・定率取り崩しをオススメする人

定率取り崩しをオススメする人は、できるだけ資産寿命を長くしたい人です。

資産を残したい家族がいる人や、とにかく資産の目減りを防ぎたい場合は一番オススメできる方法になります。

定率取り崩しの欠点は資産額の〇%になるので、資産が減るにつれて取り崩し額が下がっていく点です。

生活費として考えているのであれば、年金に加えて労働による収入が必要になります。

・定額取り崩し法とは?

定額取り崩し法とは、毎年(毎月)同じ金額を取り崩す方法です。

毎月の取り崩し額が一定なので、家計の収支計算がわかりやすいのがメリットになります。

計算通りに取り崩すので、資産寿命は基本的にきまってしまうことになります。

予定よりも長く生きることも想定した取り崩し額を考えるべき方法です。

・定額取り崩し法をオススメする人

定額取り崩し法をオススメする人は、毎年(毎月)安定した金額を取り崩したい人になります。

年金の不足分を取り崩す方法もありますが、自身で決めた年数で取り崩す考え方が理想的です。

定額取り崩し法の欠点は、高い確率で資産がなくなる計算になります。

もちろん、残す資産も計算にいれて取り崩し額を決めることもできますので、資産状況によって考えるのもひとつの方法です。

・期間指定取り崩し法とは?

期間指定取り崩し法は、投資信託の口数を受け取り回数や最終受け取り月を設定して、資産を売却する方法です。

あまり利用する人はいないとは思いますが、参考のために紹介しています。

・期間指定取り崩しをオススメする人

基本的な考え方は定額取り崩し法とあまり変わりませんが、口数で決定しているので金額が一定になりません。

基本的に「定率取り崩し法」か「定額取り崩し法」をオススメします。

投資信託に本当の出口はない!継続を前提の切り崩しが基本!

投資信託の取り崩し方法を紹介しましたが、できるだけ資産寿命を延ばすには定率切り崩しをオススメします。

また、可能な範囲でつみたてを継続することが理想的です。

後程説明をしますが、資産運用には投資信託の他にも比較的リスクを軽減できる運用方法も存在します。

個別株やETFも購入銘柄や商品を厳選すれば、資産として計算することが期待できます。

 

【投資信託の取り崩し?オススメできる投資信託とは?】

資産運用にオススメされている投資信託ですが、販売されているファンド数が多いのでどの商品を購入したら良いのかがわからない人も少なくありません。

とくに販売ファンド数が限られている銀行窓口などの投資信託だとそもそもオススメできる投資信託を販売していないケースも多いのが本音です。

ここでは投資信託の選び方やオススメできる投資信託のタイプを紹介しておきます。

最終的に選択する場合は、自己責任になりますのでご了承ください。

リスク幅が少ない投資信託でもマイナスになることもあります。

長期的保有でプラスになることが期待できる投資信託ですが、老後のことを考えると取り崩す時期によって損をすることも視野にいれましょう。 

インデックス型とアクティブ型のどちらがオススメ?

投資信託にはインデックス型とアクティブ型が存在します。

簡単に説明をするとインデックス型は株式市場と連動するタイプと覚えておけば良いと思います。

一方、アクティブ型の投資信託は市場を上回る結果を目指すファンドになります。

一見するとアクティブ型の方がよさそうですが、過去のデータ的にはインデックス型投資信託の方が優秀だといわれています。

インデックス型とアクティブ型の違いは、運用方法だけではありません。

アクティブ型の信託報酬が高い傾向にあるので、長期的に見るとインデックス型投資信託が有利だと考えられます。

仮に同じ年利5%だとしてもインデックス型投資信託のリターンが良くなります。

運用スタイルのことも考えるとインデックス型をオススメするのも理解できるはずです。

取り崩しに向いている投資信託の選び方とは?

投資信託に限らず資産の取り崩しは一括よりも分散した方が良いのは購入時と変わりません。

資産寿命を延ばすことにもなりますし、最大限複利の力を利用できるからです。

はじめから取り崩しを前提に投資信託のファンドを選ぶ必要はありませんが、できるだけリスク幅が少ないファンドがオススメできます。

債券型のリスク幅がせまいから良いということではありませんが、資産状況によってポートフォリオを組みなおすことをオススメします。

現時点でオススメできる投資信託3選!

ここでは2023年時点でオススメできる投資信託のタイプを3種類紹介しておきます。

具体的なファンド名の掲載は省略しますが、基本的にインデックス型の投資信託でネット証券での購入をオススメします。

:全世界株式タイプ

全世界株式タイプの投資信託は、世界の株式指数に連動するタイプのファンドです。

投資信託初心者から経験者まですべての人にオススメできます。

全世界株式タイプのファンドは、日本を除くタイプと含めるタイプがあります。

基本的にどちらでも良いですが、日本の個別株を所有している場合は日本を除くにしても良いかもしれません。

:米国株式タイプ

米国株式タイプは、アメリカの株式に関する指数に連動するタイプの投資信託です。

株式市場の中心でもあるアメリカの「NYダウ」「S&P500」「NASDAQ」などに連動しています。

全世界株式と同様人気のある投資信託ですが、全世界よりもリスク幅が大きくなる傾向があります。

長期的に運用すると期待値が高いのでオススメです。

:バランスタイプ

投資信託とひとことで言っても株式、債券、不動産などのジャンルに加えて投資をする地域も複数存在します。

できるだけリスクを抑えて幅広く投資をしたい人にはバランス型ファンドがオススメです。

バランス型ファンドの注意点は、投資先や手数料です。

各種債券だけのファンドだとリスク幅は小さくなりますが、期待値としてはオススメできません。

株式と債券にバランス良く投資をしているファンドもあるので、選択を間違えなければ無理なく資産を増やすことができます。

 

【投資信託の取り崩しシミュレーション!定率切り崩しオススメの方法】

投資信託の取り崩し方法をいくつか紹介してきました。

取り崩し方法の基本を理解したので、実際のシミュレーションをしてみたいと考えています。

ここでは

資産4000万円の取り崩しシミュレーション

をいていきます。

今回は投資信託の利率を年利5%、現預金は金利を考えずにすすめていきます。

基本ルール

・取り崩し開始   60歳

・現金金利     0%

・投資信託金利 年利5%

・取り崩し率  年間4%

現金4000万円:投資信託0円

・60歳

 現金残高 \40,000,000

・65歳

 現金残高 \32,730,000

・70歳

 現金残高 \26,780,000

・75歳

 現金残高 \21,910,000

・80歳

 現金残高 \17,930,000

・85歳

 現金残高 \14,670,000

・90歳

 現金残高 \12,000,000

現金3000万円:投資信託1000万円

・60歳 

 現金残高   \30,000,000

 投資信託残高 \10,000,000

 資産残高   \40,000,000

・65歳 

 現金残高   \24,550,000

 投資信託残高 \10,500,000

 資産残高   \35,050,000

・70歳 

 現金残高   \20,080,000

 投資信託残高 \11,030,000

 資産残高   \31,110,000

・75歳

 現金残高   \16,430,000

 投資信託残高 \11,580,000

 資産残高   \28,010,000

・80歳

 現金残高   \13,440,000

 投資信託残高 \12,160,000

 資産残高   \25,600,000

・85歳

 現金残高   \11,000,000

 投資信託残高 \12,760,000

 資産残高   \23,760,000

・90歳

 現金残高     \9,000,000

 投資信託残高 \13,400,000

 資産残高   \22,400,000

現金2000万円:投資信託2000万円

・60歳

 現金残高   \20,000,000

 投資信託残高 \20,000,000

 資産残高   \40,000,000

・65歳

 現金残高   \16,360,000

 投資信託残高 \21,000,000

 資産残高   \37,360,000

・70歳

 現金残高   \13,390,000

 投資信託残高 \22,050,000

 資産残高   \35,440,000

・75歳

 現金残高   \10,950,000

 投資信託残高 \23,150,000

 資産残高   \34,100,000

・80歳

 現金残高     \8,960,000

 投資信託残高 \24,310,000

 資産残高   \33,270,000

・85歳

 現金残高     \7,330,000

 投資信託残高 \25,530,000

 資産残高   \32,860,000

・90歳

 現金残高     \6,000,000

 投資信託残高 \26,810,000

 資産残高   \32,810,000

現金1000万円:投資信託3000万円

・60歳

 現金残高   \10,000,000

 投資信託残高 \30,000,000

 資産残高   \40,000,000

・65歳

 現金残高     \8,180,000

 投資信託残高 \31,500,000

 資産残高   \39,680,000

・70歳

 現金残高             \6,690,000

 投資信託残高 \33,080,000

 資産残高   \39,770,000

・75歳

 現金残高     \5,480,000

 投資信託残高 \34,730,000

 資産残高   \40,210,000

・80歳

 現金残高     \4,480,000

 投資信託残高 \36,470,000

 資産残高   \40,950,000

・85歳

 現金残高     \3,670,000

 投資信託残高 \38,290,000

 資産残高   \41,960,000

・90歳

 現金残高     \3,000,000

 投資信託残高 \40,210,000

 資産残高   \43,210,000

定率取り崩しの注意点と対策方法

定率取り崩しをいくつかのパターンで紹介しましたが、今回の例はあくまでも純粋に4%を切り崩しています。

また、資産運用も安定して5%の利率になっているので必ず同じ結果になるとはいえません。

現金と投資信託の比率を1000万円と3000万円にすると総資産もふえていくことがわかります。

投資信託の利率を5%にして毎年4%を取り崩すのですから増加していくのはどの金額でも同じですが、複利の魅力がわかるはずです。

資産は一定額を超えると増える一方だと言われていますが、このシミュレーションを見ればなんとなくわかるはずです。

もちろん一定額までは稼ぐ力と節約が重要になります。

 

【資産運用の取り崩しとオススメの投資方法と収入力UP法】

今回の取り崩しはあくまでも4%の取り崩しになっているので、生活費をすべてカバーできるとはいえません。

あくまでも老後の年金の不足分として考えると定率取り崩しだけが正解ではないので個々にあったスタイルを見つけることをオススメします。

最後に投資信託以外の資産運用や収入力の向上を紹介しておきます。

実際の老後を考えるとできるだけ若いうちに対策をするのが良いことがわかるはずです。

基本は年金+事業所得or労働収入

年金だけでは生活ができないという人の多くはアルバイトなどの労働収入やフリーランスとして事業所得を得るのが現実的です。

会社員で厚生年金のある人は年金だけでもそれなりの金額になりますが、自営業の人は事業所得でカバーするのが理想です。

また、違うジャンルの事業所得を目指すのもひとつの考え方です。

1か月に5万円程度を目標にするのであれば、多くの方法があります。

特に早い段階で副業として開始していれば、心強い収入源になることも期待できます。

投資信託+株式配当で老後の生活を安定させる!

資産運用という意味で考えると投資信託についでオススメするのが、個別株式の配当金を生活費に充てるという考え方です。

高配当株や特定の企業に集中する買い方は危険ですが、安定企業の株式を分散してこうしておけば計算できる配当金が期待できます。

個別株式で得た配当金は生活費にするのも良いですし、再投資に利用するのもひとつの方法です。

デイトレードや信用取引をすると株式もリスクが大きくなりますが、配当や株主優待ねらいの分散投資であれば比較的リスク幅はちいさいのでオススメできます。

資産寿命を延ばす方法は資産を守る知識と使う知識を身につけること!

会社員の人の退職金や親御さんの遺産を投資に使って失敗するケースが少なくありません。

特に金融機関が紹介をする投資信託の多くは銀行が得をする商品ばかりです。

すべての金融機関の商品がダメとは言いませんが、少なくとも退職金の一括投資を推奨するような場合は要注意です。また、外貨預金や保険商品などもオススメできません。

資産形成の情報を調べるとお金を増やす知識や節約に関する話題がほとんどです。

確かに資産運用を成功させるには、収入・節約・投資に関する知識は不可欠なので間違いではありません。

ただ、ある程度資産がある場合は、大切な資産を守る知識と無駄のない使い方を身につけることが重要になります。

資産額が多くなると危険な罠も多くなるので守る知識と使い方にも注目することをオススメします。

【まとめ】

今回は投資信託の取り崩しに関する知識と資産寿命の延ばし方について説明をしました。

投資信託の入口は優しいですが、出口の取り崩し方法は難しいのが現実です。

資産の取り崩しは、老後の資産運用を成功させるために必要なことです。

一方で大切な資産を守る知識や使う知識を身につけることをオススメします。

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