年金はいつからもらうべき?
60歳・65歳・70歳──「正解は自分で決める」時代へ
「年金は何歳からもらうのが得か?」
50代・60代になると、多くの人が悩むテーマです。
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65歳でもらうのが一般的
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70歳まで待てば増える
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60歳からでも受け取れる
どれも“正解”です。
そして、どれを選ぶかで老後の生き方が変わります。
65歳受給 vs 70歳受給のリアル
年金事務所の試算例:
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65歳から受給:年160万円(月13.3万円)
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70歳から受給:年230万円(月19.1万円)
単純に見れば、70歳まで待ったほうが得。
でも、年金が増えるということは、
税金・健康保険・介護保険料の負担も増えるということ。
損益分岐点は単純計算で82歳前後。
税・社会保険を含めると92歳近くになるとも言われています。
「自分で運用」か「国に運用を任せる」か
年金の受給開始年齢を決めることは、
言い換えれば、こういうことです。
自分で資産を運用するか
国に運用を任せるか
自分で運用する派(早めに受け取る)
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早く現金が手に入る
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投資・貯蓄・副業など、自分の判断で活かせる
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自由度が高く、行動できる期間が長い
たとえば60〜65歳の5年間で受け取った金額を投資に回せば、
運用益で「繰り下げ増額」と同等のリターンを狙うことも可能。
国に任せる派(繰り下げる)
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受給額が毎月増える(1か月0.7%・最大42%増)
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いわば「国が年利約8%で運用してくれる」ような仕組み
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長生きすればするほど得をする
ただし、途中で亡くなれば“回収できないリスク”もあります。
つまり、安心を選ぶか、自由を選ぶか。
60歳から受給して“自分で運用”するという選択
「60歳から受給すると24%減額」と聞くと損に思えます。
でも、働きながら年金を運用に回す発想なら話は変わります。
シミュレーション(年利3〜7%)
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60歳受給:年121万円 × 5年 = 605万円
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これを全額運用した場合:
| 年利 | 65歳時点の想定額 |
|---|---|
| 3% | 約700万円 |
| 5% | 約772万円 |
| 7% | 約846万円 |
つまり、年利5〜7%なら繰り下げ増額に近いリターンを、
自分の手で掴み取ることができます。
夢を見たい人へ──年利8%の攻めの年金戦略
もし、60歳から受け取った年金を年利8%で運用できたら?
| 運用年数 | 想定資産 (年利8%・複利) |
|---|---|
| 1年後 | 約653万円 |
| 2年後 | 約705万円 |
| 3年後 | 約761万円 |
| 4年後 | 約821万円 |
| 5年後 | 約887万円 |
65歳時点で+282万円の利益。
70歳まで待たずに、“自分の力で”年金を増やしたことになります。
夢のある使い方の例
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60〜64歳は仕事を続けて生活費をまかない、
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受け取った年金を全額投資に回す。
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65歳で運用益+元本を使って、夫婦で世界一周へ。
「老後の安心を待つ」より、
「今を楽しむために動く」──
そんな使い方も、立派な年金戦略です。
リスクを知った上で、夢を描く
もちろん8%は夢の数字。
市場の波に合わせる判断力と冷静さも必要です。
でも、夢を描くからこそ、老後は楽しくなる。
結論
年金に“正解”はない。
自分の生き方で、選んだ道を正解にすればいい。
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働けるうちは60歳から攻めて運用
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生活に余裕があれば繰り下げて増やす
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元気なうちに「自分の夢」に使う
年金は「もらうため」だけじゃなく、
「どう生きるか」を選ぶためのツールです。
まとめ:自分の年金を“人生設計”の軸にする
| 年齢 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 60歳 | 早く受け取り、 運用・夢に使う |
働きながら 資産を動かしたい人 |
| 65歳 | 安定・標準・生活の中心に | バランス型の人 |
| 70歳 | 増額で老後安心型 | 長生きリスクに備えたい人 |
最後にひとこと
「もらえるうちにもらう」も、
「増やしてからもらう」も、
どちらも正しい。
だからこそ、
自分が“ワクワクするほう”を選ぼう。


