20%の税金が気になって動けない人へ、後悔しない“3回売却戦略”を解説。
2024年から始まった新NISA。
「年間360万円の枠をうまく使いたい」と思っていても、
実際には資金をどう準備するか悩んでしまう人は多いです。
特に、投資歴が長い人ほど
「特定口座の含み益に20.195%の税金がかかる」
という理由から、売却に踏み切れずにモヤモヤしたまま年末を迎えたりします。
実は、こうした悩みは非常に多く、
検索ボリュームも高い“投資家あるある”です。
この記事では、
実際に私が直面した 「新NISA360万円をどう用意するか問題」 をもとに、
後悔しないための売却戦略を「数字つき」でわかりやすく解説します。
なぜ特定口座の売却は心理的にこんなに難しいのか?
理由は3つあります。
① 売った直後に上がるのが怖い
これは誰もが一度は経験します。
「今売って、来週から爆上げしたらどうしよう…」という不安。
② 税金20.195%が重く感じる
利益部分に対する税金なので、本当は“口座全体”ではないのですが、
どうしても精神的には「20%取られる」という印象が強く残ります。
③ そもそも売却額に対する税金の計算がわからない
利益率、課税対象、手取り金額…
これが分からないから不安になり、結局動けないのです。
まずは落ち着いて「税金の本当の仕組み」を理解する
特定口座の利益に対する税金は
売った部分の利益にだけ課税 されます。
つまり…
評価額1,080万円すべてに20%かかるわけではありません。
ここを正しく理解すると、
売却の心理的ハードルが一気に下がります。
私の口座の実例で見てみましょう。
【実例】特定口座の中身を整理すると…
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評価額:10,804,798円
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含み益:3,579,977円
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利益率:33.13%
つまり、
売却した金額の約33%が利益とみなし、
その利益に20.195%の税金がかかる。
これが基本計算です。
新NISA360万円を3回に分けて売却する(分割売却)
一気に360万円売るのはメンタル的にしんどいので、
私は 「120万 × 3回」 に分けて売る方法を選びました。
理由は、
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高値で全部売れなくてもOK
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安値で全部売ってしまうことも避けられる
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相場のブレを平均化できる
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メンタルダメージが最小
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投資家の実務としても“正解のパターン”
【実際のシミュレーション】
◎120万円を3回売った場合の税金と手取り
計算式は以下の通り。
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売却額 × 33.13%(利益部分)
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利益部分 × 20.195%(税金)
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売却額 − 税金(手取り)
※ すべて同じ利益率なので3回とも同額です。
▼ 1回目:120万円売却
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利益:397,560円
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税金:80,300円
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手取り:1,119,700円
▼ 2回目:120万円売却
(同じ)
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手取り:1,119,700円
▼ 3回目:120万円売却
(同じ)
-
手取り:1,119,700円
【360万円売却した時の合計】
| 売却額 | 利益 | 税金 | 手取り金額 | |
|---|---|---|---|---|
| 1回目 | 1,200,000 | 397,560 | 80,300 | 1,119,700 |
| 2回目 | 1,200,000 | 397,560 | 80,300 | 1,119,700 |
| 3回目 | 1,200,000 | 397,560 | 80,300 | 1,119,700 |
| 合計 | 3,600,000円 | 1,192,680円 | 240,900円 | 3,359,100円 |
結論:360万円売ると、手取りは約336万円
税金は約24万円ほどです。
確かに税金は惜しいですが、
非課税で20年間運用できる新NISAのメリットの方がはるかに大きい です。
つまり、
「税金が痛いから売らない」で悩むより、
「戦略的に売ってNISAで非課税運用に切り替える」方が合理的。
売却タイミングはいつが良い?
私は以下のスケジュールが最適だと考えています。
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11月後半(1回目)
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12月後半(2回目)
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1月上旬(3回目)
理由:
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12月は米国株が上昇しやすい(年末ラリー)
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一括ではなく、相場の波を均す効果がある
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メンタル的なストレスが少ない
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NISAは1月から投資可能、資金準備が安全に間に合う
新NISA360万円は「資金準備の段階こそが最難関」
実際にやってみて気づいたのは、
買う商品を選ぶより、NISA資金をどう作るかの方が難しい ということ。
しかし、分割売却という選択肢を取り入れることで、
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後悔を最小限に
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相場の上下に振り回されず
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期限内に資金を確実に確保できる
というメリットがあります。
最後に:大事なのは「動くこと」
売却が怖くて動けない状態が続くと、
来年のNISA枠はただの「空欄」で終わってしまいます。
しかし、本当に大きな機会損失はここです。
投資は、
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完璧なタイミング
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最高の利確点
を当てるゲームではありません。
大事なのは、
「自分が後悔しない方法で、未来に向けて行動すること」
この視点を持つだけで、
投資のストレスは半分以上なくります。
この記事が、
「NISAのための特定口座売却問題」で悩んでいる誰かの背中を押せたら嬉しいです。
そして、あなたの来年のNISA枠が、
あなたの未来を豊かにする“非課税の資産”へと育っていきますように。


