水道料金は、水を使った分だけかかります。ここで気になるのは、自分の住んでいる地域の水の使用量です。
今回は、水道使用量の多い都道府県ランキングを掲載します。降水量やダムの数もあわせて掲載しますので、参考にしてください。
また、水道料金の節約には、水の利用目的を把握する必要があります。使用目的に関してもあわせて考えていきたいと思います。
【都道府県別!平均水道使用量ランキング】
ここからは、総務省日本統計局が公表した結果をもとに都道府県別に水道使用量を見ていきます。水道使用量と関係性が深い項目を知ることで節水に役立ててください。
全国平均水道使用量ランキング ベスト10とワースト10
総務省日本統計局では毎年「日本統計年鑑」を発行しています。日本統計年鑑は、日本の国土・人口・経済・社会・文化など様々な分野の統計データを収録したものです。
2015年に公表された「第65回日本統計年鑑(平成28年)」に掲載されている「都道府県別上水道、簡易水道及び専用水道の現状(平成2年~24年)」があります。
この資料には、都道府県ごとに年間有効水量が記載されています。
「年間有効水量」とは、有収水量と無収水量を合わせたものです。
・無収水量は、「管の洗浄」「メーターが感知しなかった水」「公衆便所や消防用水」
など料金を徴収しない水です。
都道府県別に年間有効水量が公表されたのは、2012年(平成24年度)が2019年時点の最新情報です。
年間有効水量が少なかった都道府県のトップ10とワースト10を掲載しておきます。
・年間有効水量が少なかった都道府県 トップ10
1位 鳥取県
2位 島根県
3位 高知県
4位 佐賀県
5位 山梨県
6位 秋田県
7位 徳島県
8位 福井県
9位 大分県
10位 富山県
・年間有効水量が少なかった都道府県 ワースト10
1位 東京都
2位 大阪府
3位 神奈川県
4位 愛知県
5位 埼玉県
6位 兵庫県
7位 千葉県
8位 北海道
9位 静岡県
10位 福岡県
この統計は、2012年(平成24年度)なので少々古いのが欠点です。
水道の普及率や人口の変化で現状や将来は大きく変わる可能性があります。
全国節水NO1の鳥取県が全国1位になった理由と考察!
給水人口とは、給水区域内に住んでいる人の数を示します。
観光客など給水区域内に住んでいない人は含みません。
2012年(平成24年度)の現在給水人口(実際に給水をおこなっている人口)を見ると鳥取県が最も低くなっています。日本統計局が公表している2012年10月1日現在の総人口も鳥取県が最も少ないです。
年間有効水量が少ない都道府県を見ると一部例外はありますが、現在給水人口も少ない傾向にあります。
水を使用する人口が少なければ、使用される水の総量は少なくなると考えられます。
鳥取県の水道普及率は、全国25位となっています。
水道の普及率や節水の関係を考えるには年間有効水量だけで判断をするのは難しいと思います。
全国ワースト1位の東京都が最下位になった理由と考察
東京都は最も現在給水人口が多い都市です。
水を使用する人口が多いので、水の使用量も当然多くなります。
現在給水人口と年間有効水量はほぼ比例の関係です。一部の例外もありますが、首都圏や大都市圏の水の使用量は多くなる傾向があります。
東京都は、2012年時点で水道普及率が100%です。
沖縄県も水道の普及率は100%ですが、年間有効水量は、少ない傾向にあります。
基本的に人口が年間有効水量に影響しているので、水道普及率と年間有効水量は、あまり関係していないことがわかります。
【水道使用量との関係は?水に関する色々ランキング!】
水道料金の節約には、水の利用目的を知る必要があります。
ここからは、利用目的別に使用される水の量を考えていきます。
また、日本の水源は主にダムや河川です。
降水量やダムの数と水道との関係も説明していきます。
直接水道料金の節約につながるわけではありませんが、知っておくべき知識だと思います。
水道は、利用目的によってどのくらい違いがあるの?
東京都水道局が公表した「平成27年度一般家庭水使用目的別実態調査」によると、家庭ででは以下の割合で水が使用されていることがわかります。
風呂:40%
トイレ:21%
炊事:18%
洗濯:15%
洗面・その他:8%
国土交通省水資源部は、2015年度に1日が1日に平均して使用する水量は約283リットルだと発表しています。
1日の平均使用水量と目的別の割合から計算すると以下の通りになります。
風呂:約113.2リットル
トイレ:約59.4リットル
炊事:約50.9リットル
洗濯:約42.5リットル
洗面・その他:約22.6リットル
蛇口から水を流し続けると30秒間で約12リットルも使用します。
風呂やトイレなど水をたくさん溜める場所は使用する水量も多くなる傾向があります。
使用目的 | 割合 | 平均使用量(リットル) |
風呂 | 40% | 約113.2 |
トイレ | 21% | 約59.4 |
炊事 | 18% | 約50.9 |
洗濯 | 15% | 約42.5 |
洗面・その他 | 8% | 約22.6 |
水道料金に関係あるの?全国降水量ランキング!
総務省日本統計局では、「社会生活統計指標-都道府県の指標-」で都道府県別に年間降水量を公表しています。
2017年の年間降水量トップ10とワースト10を掲載してみます。
降水量と水道料金の関連性を考えるためにも必要な情報です。
・2017年 年間降水量が多い都道府県 トップ10
1位 宮崎県
2位 石川県
3位 富山県
4位 福井県
5位 鹿児島県
6位 鳥取県
7位 静岡県
8位 新潟県
9位 高知県
10位 秋田県
・2017年 年間降水量が多い都道府県 ワースト10
1位 山梨県
2位 茨城県
3位 北海道
4位 群馬県
5位 長野県
6位 兵庫県
7位 福島県
8位 岡山県
9位 千葉県
10位 大阪府
総務省日本統計局では「小売物価当家調査」で地域別に水道料金も公表しています。
県庁所在地及び人口15万人以上の市(81ヶ所)のうち2017年の20立方メートルあたりの水道料金トップ10とワースト10は以下の通りです。
・2017年 水道料金が安い市 ベスト10
1位 豊橋市(愛知県)
2位 福井市(福井県)
3位 富士市(静岡県)
4位 函館市(北海道)
5位 足柄市(神奈川県)
6位 大阪市(大阪府)
7位 鳥取市(鳥取県)
8位 所沢市(埼玉県)
9位 浜松市(静岡県)
10位 北九州市(福岡県)
・2017年 水道料金が安い市 ワースト10
1位 長崎市(長崎県)
2位 佐世保市(長崎県)
3位 石巻市(宮城県)
4位 福島市(福島県)
5位 札幌市(北海道)
6位 松江市(島根県)
7位 長野市(長野県)
8位 仙台市(宮城県)
9位 佐賀市(佐賀県)
10位 山形市(山形県)
全てではありませんが、降水量の多い地域の水道料金は比較的安い傾向があります。
水源の確保が容易で浄化処理やポンプといった施設の設置と運営コストが抑えられる地域は水道料金を低くすることができます。
水道料金は、地理的要因が大きく影響します。
特に寒冷地では、凍結対策が必要になるので水道料金が高くなる傾向があります。
水は他の地方自治体から購入するの?全国ダム保有数ランキング!
一般財団法人日本ダム協会は、都道府県別にダムの保有数を公表しています。
2018年時点のトップ10とワースト10は以下の通りです。
・ダムの保有数 トップ10
1位 北海道
2位 岡山県
3位 新潟県
4位 兵庫県
5位 広島県
6位 福岡県
7位 長崎県
8位 岐阜県
9位 福島県
10位 山口県
・ダムの保有数 ワースト10
1位 東京都
2位 神奈川県
3位 埼玉県
4位 茨城県
5位 山梨県
6位 徳島県
7位 滋賀県
8位 福井県
9位 和歌山県
10位 京都府
日本の川は勾配が急なうえに長さも短いのですぐに海に流れてしまいます。雨が降る期間も梅雨や台風など限られているので、日本で安定した水を確保することは簡単ではありません。
ダムの建設には、地形的な要因と地質的な要因が大きく関わります。首都圏は、条件のあう土地が少ないのでダムも多くありません。
関東圏の降水量は、日本平均とほぼ同等です。
東京都・神奈川県・埼玉県は人口も多いので水の使用量も多くなります。
人口が多く水の供給が少ない地域は、必要なときに水不足をおこす危険性があります。
ダムが多いところで川の水量を調整しなくてはなりません。
例えば東京都は、利根川や荒川が主な水源となっています。
利根川や荒川のダムは、群馬県などに多く存在しています。
東京都では、水を有効活用するために「川」と「川」をつないでいます。
一方の川の水が少なくなったときにもう一方の川から水を得られる仕組みです。
更に東京都は、神奈川県などから有料で分水を受けています。
このように水源の少ない地域は、水源の豊かな地域から有料で水をわけてもらっているのです。
【まとめ】
今回は、水道使用量や降水量・ダムの数などをランキング形式で紹介しました。
当然のことですが、人口が多い地域は水の使用量も多くなるので水が不足しやすい状態にあることがわかります。
水道料金や節水を考えるときに重要なことは、水を使用した理由です。
水を多く使う場面で少しでも節水できれば、確実に節約にもつながると思います。