投資を始めたばかりの方にとって、金利がどう動くかを予測するのは難しいですよね。
でも、実はそのヒントになる指標があるんです。
それがISM製造業景況感指数です。
例えば、
2022年の8月から10月にかけて、このISM製造業景況感指数は50%以上を維持していました。
データ期間 | ISM製造業景気指数 | |
---|---|---|
予想 | 結果 | |
2024年07月 | 49.0 | 46.8 |
2024年06月 | 49.0 | 48.5 |
2024年05月 | 49.7 | 48.7 |
2024年04月 | 50.1 | 49.2 |
2024年03月 | 48.3 | 50.3 |
2024年02月 | 49.4 | 47.8 |
2024年01月 | 47.0 | 49.1 |
2023年12月 | 47.2 | 47.4 |
2023年11月 | 47.6 | 46.7 |
2023年10月 | 49.0 | 46.7 |
2023年09月 | 47.7 | 49.0 |
2023年08月 | 47.1 | 47.6 |
2023年07月 | 46.8 | 46.4 |
2023年06月 | 47.1 | 46.0 |
2023年05月 | 47.1 | 46.9 |
2023年04月 | 46.7 | 47.1 |
2023年03月 | 47.6 | 46.3 |
2023年02月 | 47.8 | 47.7 |
2023年01月 | 48.1 | 47.4 |
2022年12月 | 48.6 | 48.4 |
2022年11月 | 49.7 | 49.0 |
2022年10月 | 50.0 | 50.2 |
2022年09月 | 52.5 | 50.9 |
2022年08月 | 52.0 | 52.8 |
これが何を意味するかというと、景気が良くなると期待されているときに使われる数字なんです。
そして、その期間中にアメリカでは金利がどんどん上がっていったんですね。
具体的には、8月には金利が2.50%でしたが、10月には3.25%まで引き上げられました。
つまり、景気が良くなる兆しがあるときには、金利も上がることが多いというわけです。
このように、ISM製造業景況感指数を見れば、今後の金利の動きや経済の流れを予測する手がかりになるかもしれません。
投資をする上で、この指数をチェックすることは、初心者にとっても役立つ情報源となるでしょう。
ISM製造業景況感指数とは?
ISM指数とは、米国の全米供給管理協会(Institute for Supply Management, ISM)が発表する指標であり、米国経済の現状を知るために広く利用されています。
この指数は、製造業の企業に対して「受注残」や「生産状況」、「在庫状況」などの変化をアンケート調査し、その結果を元に算出されます。
製造業に関するこの指数をISM製造業景況感指数と呼びます。
ISM製造業景況感指数のポイント
毎月の発表タイミング
ISM製造業景況感指数は、米国の主要指標の中でも最も早く、毎月第1営業日に発表されるため、経済の先行指標として重要視されています。
景気の判断基準
指数が50%を上回ると景気拡大、50%を下回ると景気後退と判断されます。
例えば、
2024年7月のISM製造業景況感指数は46.8%で、
これは景気後退を示唆しています。
算出方法と注目項目
この指数は、
新規受注(30%)
生産(25%)
雇用(20%)
入荷遅延(15%)
在庫(10%)
の5つの項目について、それぞれの調査結果を元に算出されます。
特に、新規受注と生産の項目は、経済の動向と強く関連しており、注目されています。
景気との関連性
ISM製造業景況感指数は、米国経済の先行きを示唆する指標として、FRB(米連邦準備理事会)の金融政策、特に利上げの判断に影響を与えることがあります。
例えば、
2022年8月、9月、10月にISM製造業景況感指数が50%以上を維持していたことと、
その期間に金利が利上げされたことは、経済指標と金融政策の関連性を示す良い例です。
2022年の金利推移を見てみると:
- 2022年8月:ISM指数 52.8%、金利 2.50%
- 2022年9月:ISM指数 50.9%、金利 3.25%
- 2022年10月:ISM指数 50.2%、金利 3.25%
これらのデータからもわかるように、ISM製造業景況感指数が50%を上回っていた期間にFRBが金利を利上げしたことが確認できます。
このように、景気が拡大していると判断される時期に、インフレ抑制のための利上げが行われることが多いです。
また、この指数は米国の実質GDP成長率とも一定の相関があり、株価指数とも連動しやすいと考えられています。
例えば、2023年12月のISM製造業景況感指数は47.4%であり、同時期の実質GDP成長率も低迷していたことが確認されています。
まとめ
ISM製造業景況感指数は、米国の経済状況を把握するための重要な指標です。
例えば、2024年7月の結果が46.8%と低下したことは、米国経済が減速している可能性を示唆しています。
この指数を理解することで、ニュースや株価の動きに対してより深い洞察を持つことができるでしょう。
特に、指数が50%を下回るタイミングで、特定の産業が下落しやすい傾向にあるため、これを参考にした投資戦略を考えることが有益です。
ISM製造業景況感指数を定期的にチェックし、最新の経済状況に合わせた投資判断を行うことが大切です。