「夫婦で老後生活するためには2,000万円必要」「年金が頼りにならない時代が来る」などといわれています。
確かに今後高齢者の割合が増えると制度の維持が難しくなります。
今回は、日本の現状と今後起こり得る問題を考えていきます。
この記事を読んで、今から少しずつ将来に備えていきましょう。
【高齢化率が高いと起きる問題とは?】
日本は、高齢化率が21%を超えている超高齢社会です。
高齢化率の上昇にともない様々な問題が生じています。
ここでは、日本の現状と将来推計です。
今後起きる可能性の高い問題を知ることで、今のうちに備えていくことをオススメします。
現在の日本の高齢化率はどの位?高齢化率が高いとどんな問題が?
総務省統計局がおこなった「平成27年国税調査」によると2015年の65差以上人口は、約3346万人でした。
15歳未満の人口は、過去最低の1588万人で15~64歳の人口は約7628万人です。
2015年の日本の高齢化率は、過去最高の26.6%でした。
日本に住んでいる人の約4分の1は、65歳以上の高齢者ということになります。
15~64歳の現役世代が減少すると労働力不足を補うために長時間労働が更に深刻化する可能性が高くなります。仕事の忙しさや収入の少なさが原因で結婚や子どもをあきらめる方も少なくありません。
医療制度や社会保障制度の主な財源は、現役世代が納める税金です。
現役世代が少ないと制度の維持が困難になることは予想できることだと思います。
このまま高齢化が進むとどうなるの?2025年問題と2040年問題
総務省統計局がおこなった「平成27年国税調査」によれば2015年の日本の総人口は、約1億2700万人でした。
人口が増加したのは、沖縄県や東京都など8都県のみで残り39道府県は人口が減少しています。
2015年(平成27年)は、第1次ベビーブーム(昭和22~24年)の世代が65歳を超えました。
これまで経済を支えてきた世代が、支えられる側になったことを意味します。
内閣府が発表した「平成30年版高齢社会白書」によると団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年には、高齢化率が30%になると考えられています。
この統計で考えると今から数年後には65歳以上の高齢者は、約3人に1人で75歳以上の後期高齢者は約5人に1人となります。
さらに第2時ベビーブーム(昭和46年~49年)の世代が65歳を迎える2040年の高齢化率は、推計35.3%です。
高齢者1人当たりの現役世代は、約1.5人ということになります。
2025年には、全ての都道府県の人口が減少に転じて40道府県で高齢化率が30%を超えるといわれています。
2040年の推計では、高齢化率40%以上の地方自治体が全自治体の5割になります。
子どもや現役世代が、少ないと地方自治体を維持することが難しくなります。
地方自治体の数が減少して、都市部と地方の格差が広がる危険性が高くなるはずです。
高齢化が進むと制度の維持が難しくなる!
内閣府が公表した「平成30年版高齢社会白書」によると1965年の高齢化率は6.3%です。
高齢者1人を支える現役世代の人数は、10.8人でした。
高齢化率が21%を超えた2010(平成22)年の高齢化率は23%です。
高齢者1人を支える現役世代の人数は2.8人でした。
さらに高齢化率が30%に達することが予想されている2025年には1.9人です。
更に2040年には1.4人になると考えられています。
このまま高齢化が進行すると生じる問題が、高齢者1人を現役世代1人が支える「肩車型」です。
これは、現役世代にかかる負担が大きいので医療や福祉制度の維持が困難になります。
医療の面で見ると、1973(昭和48)年から70歳以上の医療費は無料になりました。
財政の悪化や少子化高齢化が進む中で1983(昭和58)年には、70歳以上も再び医療費の一部を自己負担するようになっています。
2019年になると、後期高齢者医療制度の対象者は75歳以上です。
現役並の所得がある方は、3割負担となるので高齢者にかかる負担も増加することになっています。
【もう年金はあてにできない!将来に備えよう】
少子高齢化は、進行することが予想されています。
今後さらに医療制度や年金制度が厳しくなる可能性が高いです。
今後は年金のみで生活することは難しいと考えられています。
ここでは、将来に備えるために気をつけるポイントを説明していきます。
年金だけでは足りない?将来に備えよう
2019年4月の老齢基礎年金額は、満額で780,100円(月に約65,000円)です。
会社員の方で厚生年金を支払っている方は、老齢厚生年金も追加されます。
総務省が2017年に公表した「家計調査年報(平成29年)」によると世帯主が60歳以上の無職で世帯員が2人以上の世帯の可処分所得(実収入から税金を引いた額)は、約17.7円でした。
消費支出額は、約23.8万円なので1ヵ月に約6.1万円不足している計算になります。
世帯主が60歳以上の無職で単身の世帯の可処分所得は約10.1万円です。
消費支出は約14.2万円なので、1ヵ月に約4.1万円不足している計算になります。
2017年の時点でも年金だけでの生活は難しい状態です。
高齢化が進行すると負担額が大きくなるので、さらに生活が苦しくなると考えられます。
今後は、受給開始年齢の引き上げや受給額の減額などが予想されています。
収入があるうちに将来に備えるのが現実的な対策方法です。
無理な節約は厳禁!今できることを少しずつ
将来に備えて収入をできるだけ貯蓄に回すことは大切ですが、節約に無理は禁物です。
無理な節約はストレスにつながります。
ストレスが大きくなると過食や衝動買いなどを引き起こす原因になります。
一度過食や衝動買いをしてしまうと罪悪感から更にストレスが生まれるので悪循環です。
無理な節約をしているかの見極めは、「幸福感の存在」です。
節約に対して「辛い」「大変」と感じる節約方法は無理をしていることになります。
もちろん、節約は贅沢をすることに比べると「辛い」「大変」「我慢」という言葉が浮かびます。
それだけにできるだけ負担をかけない節約方法を実践する必要をオススメします。
食費を削るために一気に食事の質を落とすことや、エアコンや電気・水道などの使用量を制限するような節約は危険な節約方法です。
節約は生活に取り入れやすいことからおこなうのがポイントになります。
水道光熱費の節約は、確かに節約をする上で避けてとおれないことです。
エアコンのフィルターの掃除や風呂のシャワーヘッドを交換するだけでも最初の効果としては、充分な内容になります。
買い物や食事も我慢しすぎることはよくありません。
欲しいものか見極める時間を作るなど今できることから少しずつ取り組むことをオススメします。
ライフプランの見直しを定期的に行おう
将来に備えるために大切なことがライフプランの見直しです。
年代によってどの部分にお金がかかるかは、大きく異なります。
20代~30代は、結婚や一戸建ての購入が大きなポイントになります。
40代~50代で子どもがいると教育費の占める割合が高くなるといわれています。
無理のない貯蓄は、実際に今後必要なお金を知ることが大切です。
必要な金額や時期を理解してから貯蓄にまわせるタイミングを考える必要があります。
実際にお金のかかる金額やタイミングは、収入や世の中の流れで変わる可能性が高いです。
誤差の修正には、ライフプランの見直しを定期的におこなうことをオススメします。
【まとめ】
今回は、日本の高齢化率と今後起こり得る問題を説明しました。
今後は、負担がさらに大きくなることが予想されます。
将来に向けて節約をすることは大切ですが、無理は長続きしません。
出来ることから少しずつ取り組むことをオススメします。