セミリタイアを考えている人必見!失業保険の基本知識を丁寧に解説!

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他の会社への転職を検討したときに不安になる理由は、安定した収入がなくなることです。

毎日の生活費を心配するような状況では、満足な職探しができるわけがありません。

不安を少しでも解消するために、国が採用している制度が雇用保険です。

一般的に失業保険ともいわれている制度になります。

今回はセミリタイアや転職を検討している人向けに失業保険の基礎知識を丁寧に解説していきます。

この記事を読んで離職後の不安を事前に取り除いてください。

 

【失業保険とは?失業保険の基礎知識】

雇用保険(失業保険)は、離職後の生活を安定させるために国が採用している制度です。

この制度があるおかげで就職活動を安心しておこなうことができます。

ここでは、失業保険の基本知識と日本の社会保険制度について説明をしていきます。

日本の充実した社会保険制度の基本を理解しておけば、セミリタイアを検討している人にも役立つはずです。

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失業保険とは?

失業保険は、自己都合や会社都合を理由に離職して安定した収入がなくなっている状態の人向けにある制度です。

条件を満たしている場合に受け取れる手当で、できるだけ不安のない状態で就職活動ができる補助になります。

転職を考えて事前に生活資金を確保しておければ良いのですが、リストラのように自身の意思とは異なる状況に追い込まれるケースもあります。

失業保険はこのようなときに生活面だけでなく精神面でも助かる保険制度です。

覚えておこう4つの社会保険

会社員の人は社会保険というと給料から天引きされるマイナスイメージが強いのかもしれませんが、安定感のある生活をしていくためにも必要不可欠な制度のひとつになります。

ここでは、失業保険の説明をする前に社会保険の基本知識を解説していきたいと思います。

今回はそれぞれの保険制度を簡単に説明しておきますので、気軽に読んでください。

社会保険は大きな意味でとらえる「広義の社会保険」と一般的にいわれる「狭義の社会保険」があります。

それぞれの特徴について説明をしていきます。

広義の社会保険

広義の社会保険とは、病気やけがをはじめ出産・死亡・老齢・障害・失業などに対する保険制度を指します。

会社員は被用者保険で、自営業者や個人事業主は一般国民保険に加入することになります。

狭義の社会保険

狭義の社会保険は、一般的に社会保険とよばれる保険になります。

「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」の3つを指します。

また、これに「雇用保険」と「労災保険」をあわせた保険が「労働保険」です。

 

労働者にかかわる4つの社会保険

会社員などの人が控除される代表的な保険料は、健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険になります。

雇用保険と労災保険をあわせて労働保険と言いますが、労災保険は事業者のみが納める保険になっています。

・健康保険

健康保険は会社で働いている本人とその家族が対象で、医療費の自己負担率が3割です。

位置づけは国民健康保険とおなじような存在ですが、健康保険は会社と加入者で保険料を折半します。

・厚生年金保険

厚生年金保険は公的年金のひとつで、加入者は国民年金の基礎年金と厚生年金を老齢年金として受給できるようになっています。

老後生活の基盤になる収入源です。

・介護保険

介護保険は高齢者の介護を支える位置づけの社会保険です。

自立支援、利用者本位、社会保険方式を基本に考えられている制度になります。

・雇用保険

雇用保険は、失業状態にある人の就職活動が安心しておこなえるようにつくられている制度です。

今回の記事で中心になる社会保険になります。

失業保険と雇用保険の違いとは?

この記事を読んでいる人のなかには「あれ?」と思っている人が多いのではないでしょうか?

今回の記事で中心になるはずの「失業保険」という言葉があまり登場していません。

実は、失業保険と呼ばれている保険の正式名称は雇用保険になります。

失業保険という名称が今でも残っているのは、1947年に施行した失業保険法の存在があるからです。

失業保険法は、1975年に制度の見直しを目的に施行された雇用保険法になっています。

正式名称は雇用保険ですが、昔の名残がそのまま残っているのが失業保険です。

この記事では、なじみのある失業保険という用語をもちいていますが、ここからは失業保険(雇用保険)と記載していきます。

 

【失業保険(雇用保険)の受給条件】

失業をして就職活動をするにも預金額が少なくなると焦ってしまうので、良い方向に向かうことは考えられません。

そのような状況をなくすためにある制度が失業保険(雇用保険)制度です。

ここでは、失業手当の受給条件について説明をしていきます。

失業手当の受給条件を事前に把握して、給付されないということがないようにしましょう。

積極的な就職活動をおこなう意思が必要!

失業手当を受給する条件の1つ目は、就職をして働く意思を行動で示すことです。

ハローワークに求職の申し込みをして、求人に応募や面接など就職活動をおこなわなければなりません。

雇用保険の被保険者期間が条件を満たしている!

失業手当を受給する条件の2つ目は、雇用保険の被保険者期間が過去2年間のうち12か月以上あることが必要です。

1つ目の条件に加えて必要な条件ですが、退職理由によって条件期間が短くなります。

受給条件の注意点!失業手当は給付されないケース!

雇用保険の被保険者期間が失業手当の受給条件を満たしていても、必ず手当てが給付されるわけではありません。

失業手当の給付には、あくまでも仕事に就きたいという気持ちや行動が重要になります。

勘違いをしている人もいるようですが、以下のような条件だと原則失業手当は給付されないので注意が必要です。

・ケガや病気の治療中の人

・結婚等で専業主婦(主夫)になる人

・妊娠、出産、子育て等を理由に休養する人

・定年等を理由に退職した人でその後仕事に就く予定がない人

他にもありますが、基本的に仕事をする意志と能力があることが給付条件になります。

また、早期退職後にフリーランスとして開業届を出した場合も、給付条件から外れることになるので注意が必要です。

ケースによって受給条件期間が短縮されることもある!

失業手当の受給条件にある期間は過去2年間で12か月以上雇用保険の被保険者である必要がありますが、以下の場合は1年間で6か月以上に期間が軽減されるケースも期待できます。

:会社都合退職の人

会社都合で退職した人の場合は懲戒退職以外であれば、多くのケースで期間軽減が期待できます。

倒産や事業所移転はもちろんですが、会社に問題があると認められる場合も期間軽減が該当します。

:自己都合退職の人

自己都合の場合でも条件が認められれば受給条件の短縮が可能になります。

身内の介護や配偶者の転勤を含め、認められるケースも多いので確認することをオススメします。

 

【失業保険(雇用保険)の受給金額の計算方法と受給期間】

失業保険(雇用保険)の受給資格について説明をしましたが、実際に受け取れる失業手当の金額がどのくらいになるのかは重要な問題です。

ここでは、失業保険(雇用保険)の受給金額の計算方法と受給期間について解説をしていきます。

失業手当の金額は以下の数値を基準に決定します。

・離職前6か月の賃金総額 

 ※賞与、退職金等は除く

・離職時の年齢

・雇用保険被保険者の期間

この項目に退職理由などをくわえて総給付額と日数が決定します。

それぞれの計算方法を順番に説明していきます。

失業手当の計算方法1 賃金日額を決定する

失業手当の総額を算出する方法は、まず賃金日額を計算するところから始めます。

以下の計算方法で賃金日額を算出しますが、上限額下限額も設定されているので注意が必要です。

・賃金日額の計算方法

離職前6か月の給与の合計 ÷ 180日

尚、離職前6か月の給与には各種手当は含まれますが、賞与や退職金は除いて計算をします。

賃金日額の上限額と下限額は年齢によって区分されます。

2023年8月から新しい金額になっているので注意が必要です。

・29歳以下

上限額 13,890円

下限額 2,746円

・30歳~44歳

上限額 15,430円

下限額 2,746円

・45歳~59歳

上限額 16,980円

下限額 2,746円

・60歳~64歳

上限額 16,210円

下限額 2,746円

失業手当の計算方法2 基本手当日額を決定する

先ほど計算をした賃金日額が、失業手当の金額になるわけではありません。

賃金日額の次に、基本手当日額を決定します。

基本手当日額の計算方法

賃金日額×0.5~0.8

賃金日額の給付率の基本は以下のようになっています。

・2,746円以上5,110円未満 

 給付率 80%

・5,110円以上12,580円以下 

 給付率 50%~80%

・12,580円超 

 50%

ただし、離職時の年齢によって上記の給付率が変更することもありますので、ご自身で確認することをオススメします。

また、基本手当日額も上限額と下限額が設定されているので注意が必要です。

:基本手当日額の上限額と下限額

・29歳以下

上限額 6,945円

下限額 2,196円

・30歳~44歳

上限額 7,715円

下限額 2,196円

・45歳~59歳

上限額 8,490円

下限額 2,196円

・60歳~64歳

上限額 7,294円

下限額 2,196円

失業手当の計算方法3 失業手当の総給付額を決定する

さきほど計算した基本手当日額が、1日あたりの給付額になります。

この金額に給付日数をかければ、失業手当の総額を決定することができます。

・支給総額の計算方法

基本手当日額 × 給付日数

給付日数は雇用保険被保険者である期間と年齢が基準になります。

給付日数は90日~330日ですが、個々によって異なるので、ここでの数値は目安です。

<会社都合で退職をした場合の給付日数>

 ※年数は雇用保険被保険者期間

30歳未満

1年未満 90日

1年以上~5年未満 90日

5年以上~10年未満 120日

10年以上~20年未満 180日

30歳以上35歳未満

1年未満 90日

1年以上~5年未満 120日

5年以上~10年未満 180日

10年以上~20年未満 210日

20年以上 240日

35歳以上45歳未満

1年未満 90日

1年以上~5年未満 150日

5年以上~10年未満 180日

10年以上~20年未満 240日

20年以上 270日

45歳以上60歳未満

1年未満 90日

1年以上~5年未満 180日

5年以上~10年未満 240日

10年以上~20年未満 270日

20年以上 330日

65歳未満

1年未満 90日

1年以上~5年未満 150日

5年以上~10年未満 180日

10年以上~20年未満 210日

20年以上 240日

 

<自己都合で退職をした場合の給付日数>

 ※年数は雇用保険被保険者期間

65歳未満

10年未満 90日

10年以上20年未満 120日

20年以上 150日

自己都合で退職をすることが多いと思いますので、基本的に90日~150日に該当することになります。

失業手当の具体例を計算してみよう!

ここまでの計算で失業手当の金額が算出できますが、ここで当サイトの軸でもある55歳早期リタイアを例に計算してみます。

尚、55歳の収入例は厚生労働省の調査による数値を参考にしています。

55歳Aさん(男性) 

月収40万円

退職理由 自己都合

・雇用保険被保険者期間が15年の場合

基本手当日額 6,666円

支給総額 799,920円

給付日数 120日

・雇用保険被保険者期間が20年以上の場合

基本手当日額 6,666円

支給総額 999,900円

給付日数 150日

失業手当の総額でもっとも影響するのは離職前6か月の給与ですが、雇用保険被保険者期間が20年を基準に支給総額に差が出るので注意が必要です。

【失業保険(雇用保険)の手続き申請方法】

失業保険(雇用保険)制度で受給できる失業手当は、申請をすればすぐに受け取れるわけではありません。

退職理由が一番多い自己都合によるケースだと給付までに約2か月かかります。

ここでは、失業保険(雇用保険)の手続き申請方法を解説していきます。

会社都合退職と自己都合退職の違いは、待機期間の有無になります。

今回の例は自己都合による退職のケースです。

会社都合の場合も1回目の失業認定までは同じですが、待機期間が少ないので失業手当の振り込み時期が早くなります。

 

<失業保険(雇用保険)の手続き申請方法の流れ>

勤めていた企業から退職後離職票を受け取る

退職後14日程度で勤めていた勤務先から離職票がとどきます。

もし届かない場合は、連絡するとことをオススメします。

<ハローワークに行く>

地元のハローワークに行って離職票を提出します。

このときに職員と面談をおこなうことで、失業手当の受給資格を得ることができます。

<7日間の待機期間後に雇用保険受給説明会に参加する>

7日間の待機期間後に雇用保険受給説明会があるので、出席をして雇用保険受給資格表を受け取ります。

<1回目の失業認定>

受給資格決定から4週間くらいにハローワークで失業認定を受けることになります。

失業認定日は指定されるので、必ず出席する必要があります。

<待機期間>

自己都合で退職した人は待機期間が終了してもさらに2か月間の待機期間があります。

<2回目の失業認定>

2回目の失業認定は2か月の待機期間後にあります。

2回目の失業認定のあとに初回の振り込み日を迎えることになります。

<1回目の失業手当受給>

1回目の失業手当が振り込まれますが、初回は日数が約15日分になります。

満額になるのは、2回目以降なので注意が必要です。

 

初回の失業手当受給がおわると支給終了や支給期間満了までは、4週間毎に失業認定と失業手当振込が繰り返しになります。

 

【退職時に抑えておくべきポイントや注意点】

会社を自己退職する場合には、事前におこなうことがたくさんあります。

業務的なことは省略しますが、金銭的なことを考えると勤続年数や雇用保険被保険者期間は事前に把握しておくべきです。

また、退職する年齢の区分によって失業手当の給付額が変わるので注意が必要です。

特に早期リタイアを考えている人は、失業手当の受給資格を良く把握しておくことをオススメします。

 

【失業保険受給期間の延長手続きとは?】

失業保険(雇用保険)の受給期間は基本的に退職日の翌日から1年間になっていますが、条件を満たすことで最大退職日の翌日から4年間まで延長することができます。

ここでは、失業保険(雇用保険)の延長手続きについて説明をしていきます。

すべての人が該当するわけではありませんが、知識として知っておいて損はありません。

失業保険受給期間の延長とは?

失業保険受給期間の延長は既定の手続きをすることで、文字通り失業手当の受給期間が延長する制度です。

受給期間の延長といっても、実際の給付期間が延長するわけではありません。

失業手当の受給期間を延長できる条件とは?

失業手当の受給期間を延長できる条件は、退職後すぐに働ける状況にない人が対象になります。

病気やけがの他にも親族の介護などもふくまれています。

令和4年7月以降は退職後に事業を開始した場合も対象になりました。

このほかにも対象条件はありますので、退職後早めにハローワークで相談することをオススメします。

失業手当の受給期間延長の申請方法

失業手当の受給期間延長の手続きは、ハローワークで直接手続きをすすめるか郵送で申請をすることができます。

疑問点等もあると思うので、できるだけ直接窓口で手続きすることをオススメします。

直接ハローワークに行く場合は受給期間延長申請書を受け取って、必要書類記入後に管轄ハローワークに提出すれば申請は完了します。

もちろん必ず申請が受理されるわけではありませんが、できるだけ早めに対応することをオススメします。

【まとめ】

今回は、失業保険(雇用保険)について説明をしました。

失業手当は退職後にできるだけ安心して、就職活動ができるようにするためにある制度です。

早期リタイアの人も、失業手当を受給する条件に該当すれば受給できることになりますが、失業手当の受給条件や雇用保険被保険者期間にも注意が必要です。

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