退職を考えたときに必ず直面するのが 「健康保険料」 と 「失業保険」 の問題です。
この2つをどう扱うかで、家計の負担は年間100万円単位で変わります。
今回は、実例を交えながら「扶養に入りながら失業保険を受け取れるのか?」という疑問に答え、シミュレーションで具体的に解説します。
退職後の健康保険料が高額になる理由とは?
現役時代は会社が保険料を半分負担してくれています。
私の場合、会社員として毎月以下を支払っています。
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健康保険料:月28,000円(会社と折半 → 本来は56,000円)
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厚生年金保険料:月51,240円(会社と折半 → 本来は102,480円)
👉 実は会社が毎月 約8万円、年間では 約100万円 を負担してくれているのです。
国民健康保険+国民年金に切り替えるとどうなる?
退職すると会社負担分がなくなるため、次のような出費になります。
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国民健康保険料(夫婦分):年間約80万円
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国民年金(夫婦分):年間約40万円
👉 合計で 年間約120万円。
「退職したら保険料が減る」と思い込むと危険で、むしろ 全額自己負担で跳ね上がる のです。
だからこそ、退職後は
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扶養に入れるか
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失業保険をいつ受け取るか
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年金免除を活用できるか
を慎重に考える必要があります。
モデルケースで検証|扶養に入りながら失業保険を受け取れる?
具体的なイメージを持つために、以下の家族をモデルにシミュレーションしてみます。
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夫(54歳):2026年夏に自己都合退職予定。勤続30年、給与月55万円。失業手当は150日分で総額約120万円。
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妻(48歳):これまで夫の扶養で収入なし。
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子供(25歳):会社員で社会保険加入。両親を扶養に入れられる立場。
👉 よくある家庭像を想定しているので、ご自身の状況に置き換えて参考にしてください。
シナリオ別シミュレーション|退職後の保険料と失業手当
パターン別 | 実際の負担 (免除・扶養込み) |
受給額 (失業手当) |
家計 メリット |
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2026年夏 退職直後 |
0円 (子供の扶養+受給延長+年金免除) |
受給なし (延長中) |
保険料ゼロでセーフ |
2027年前半 開始 (子供前倒し退職) |
約40〜50万円 (夫国保+年金免除/妻は子供扶養) |
約120万円 | 約70〜80万円浮く |
2027年後半まで在職 →その直後開始 |
約35〜45万円 (妻を子供扶養に残せる想定) |
約75〜85万円浮く | |
2028年開始 (前年所得ゼロで軽減) |
約10万円 (夫国保軽減+年金免除/妻は子供扶養) |
約110万円浮く |
👉 本来の夫婦分負担(国保+年金)は 年間約120万円。
👉 住民税は別途かかりますが、扶養や免除を組み合わせれば世帯全体で抑制可能です。
ポイントまとめ|失業保険と扶養どちらを優先すべきか?
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退職直後は子供の扶養+失業手当の延長申請
→ 保険料ゼロで安心 -
子供が退職すると扶養から外れるため、その前後で受給開始を調整
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前年所得ゼロを活用できる2028年開始が最もお得
(夫婦で110万円差) -
妻を子供の扶養に残せるなら、さらに国保の負担を圧縮可能
まとめ|退職後の健康保険と失業保険は「タイミング」がカギ
退職後は「会社が負担してくれていた分」を丸ごと自分で払うことになるため、夫婦で年間120万円規模の負担 が発生します。
しかし、
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扶養に入る
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失業保険の受給時期を延長する
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年金免除を申請する
この3つを組み合わせることで、数万円まで負担を抑えることが可能です。
👉 退職を控えている方は、ぜひ一度ご自身のケースでシミュレーションしてみてください。
工夫次第で、家計に 100万円以上の差 が生まれる可能性があります。